Posted by takahashi on 9 月 14th, 2008
「死ね、バカヤロウ」から「ありがとう」
神奈川県在住 男性 Tさん20歳
両親のカウンセリング歴10ヶ月
<我が子に対する恐怖感>
誰かに助けて欲しい、自分たちでは限界と思い、初めてカウンセリングを訪れたのは、一年前でした。息子が高1で不登校になってからの約2年間、その後カウンセリングを受けてからの一年間で、親としての考え方・心境の変化を、今、確実に実感できるようになりました。
当初、「ふれあい」というような機関があることも分からず、自分が何とかしなくてはと図書館で本を読みあさり、不登校になった息子には、決して怒らず理解を示し「どんな道もあるよ、一緒に考えよう」と励まし続け、接してきました。しかし、穏やかで素直な性格だった息子が、大声を出し、物を投げつけ壊すなど、暴力こそありませんが女性の私にとっては恐怖でたまらず、それがトラウマとなり、少しの物音でも心臓が締め付けられるような、生きた心地のない日々が続きました。
<死ね死ね・・・が死にたいほど辛かった>
父親も昼夜逆転した息子の体のことを考え、ゴルフの練習場に何度か誘い、外に出る手段は唯一その時だけという感じでした。
常にハラハラしながらも、根気強く明るく息子と接し、一時期は大検の予備校に通ったこともありましたが、それも挫折すると、またひきこもりが続きました。自分は息子に管理コントロールされている状態で、言いなりに物を買い、気に入らず捨てるなど、金銭的にも異常なほど無駄にしました。さらに追い討ちをかけたのが、息子の体重の増加で、そのコンプレックスから絶望的になり、外に出られずイライラする日々でした。食事療法もままならず、主人や親にも薦められ、病院を調べて連れて行くところまではいっても、途中でいなくなってしまうなど、今思えば親としてなんとか希望が持てるようにしてあげなくては、と必死だったのですが、その反面、こんなに尽くして、考えて、精一杯やっているのに何が不満で大声を出し、恐怖を与えるのか、と子供を恨む気持ちが存在していたのだと思います。ひどいときは、携帯メールで「死ね死ね・・・」などと書かれ、本当に死にたいほど辛かったです。
<頭では解っていても>
実際、妹がいなければどうなっていたか分かりません。妹は当時小6でしたので、心に傷をつけたくないとばかり願って、兄の状況を隠すのに気を使いました。本人が一番苦しくて辛いのだ、と頭では理解しているつもりが、自分の方がもっとかわいそうだと思ってしまうのが事実でした。
<親が変われば、子供も変われる>
カウンセリングに通うようになって、3ヶ月・半年と回を重ねるうちに、息子にも少しずつ変化が現れてきました。少し元気そうにして、笑顔を見せてくれると、私自身も元気になるという感じで「子供が変わってくれれば親だって元気になれる」と思っていましたが、本当は逆で「親が変われば、子供も変われる」という方が正しかったのだと気付かされました。親として、これ以上どう変われるのか、また、自分の何が変化したのか、半信半疑の自信のない時が続きましたが、最近ようやく実感できるようになりました。
<子供は悪くない!!>
息子は何も悪くなかったのだ、と心から思えるのです。自分たち親も祖父母も、愛情をかけて育ててきたつもりが、その優しさが逆に子供をダメにしてしまうのだと考えさせられるようになり、どんなに本人が辛かったのか、頭ではなく、心で理解できるようになったのです。
<待つ、見守ることの大切さ。そして大検受験>
そしてある時は息子から「自立できるようになる為にも、何でもひとりでやってみるから、手は出さないで欲しい」というような長い手紙をもらってから、ひたすら見守るということを自分自身に言いきかせ、何かあればメモで言葉のやりとりをして、頼まれたことだけをすることに徹底して、一切干渉しませんでした。しだいにあれこれ頼まれることもなくなりました。
そして、今年の夏、玄関から出ることのできなかった息子が、自分の力で大検会場まで行き、受験してきたのでした。それからは自信がついたのか、何でも自分で考え、行動し、こんなことまでできる力があったのか、と驚かされることばかりです。毎日のメモや時折交わす言葉からも、以前の優しい息子の性格は変わっていないと思うと、嬉しくて、今は息子に対する信頼の気持ちで一杯です。そんなふうに思えるようになった自分の変化にも驚いています。
<安心感の積み重ね>
先生がおっしゃってくださったように、自分の気持ちが変わったことが息子にも伝わり、安心感へとつながって、一歩ずつ前進していけるのですね。今では、息子によって自分の人生観を見直すことができたような気がします。
今後、社会とどう接していけるのか、また、一度衝突して以来、転勤で会っていない父親との関係の問題など、まだまだ心配はつきませんが、とにかく息子を信じよう、見守ろうという気持ちで接していくつもりです。
書ききれないほど色々なことがあって、もう二度とあんな思いはしたくないと思う長い二年間でしたが、すべて無駄ではなかったのだと思いたいです。
先生方に感謝申し上げます。
Posted by takahashi on 9 月 2nd, 2008
ライフトレーニングとは、クライアントが社会へ出ていくための大切なトレーニングです。
まず、クライアントが社会での人間関係を築いていく準備として、それぞれのカウンセラーと人間関係を築いていきます。
その際、クライアントが自信を持てる・目標が明確にできるようなトレーニングを実生活の中で実践し、カウンセラーとの信頼関係を構築し、ご両親の暖かい応援の中で、社会での人間関係をつくり上げていき、社会とのつながりをクライアント自身が自ら実践し、つくり上げていく支援をしていくのが、ライフトレーニングの大きな特徴です。
ライフトレーニングをやっていく中で、クライアントに『自信を持たせていく』ことも必要です。そのためには、カウンセラーと良い関係を築けたことや、カウンセラーと一緒であっても、1人であっても社会参加ができたことをクライアントが『自己評価』できるように言葉で伝えていかなければなりません。
また、ライフトレーニングはクライアントのエネルギーをあげていくための大切なトレーニングでもあります。ですから、カウンセリングであることを忘れずにおきながら、カウンセラー本人も楽しむ姿勢を持つことが大切です。
カウンセラーがつまらなそうにしていたり、無理している様子が相手に分かってしまうと、クライアントのエネルギーも下がってしまいますね。クライアントとカウンセラーが「楽しみ・喜びを分かち合う」という気持ちで取り組んでいき、「また会いたい」という気持ちになってもらえるように工夫することが必要です。
ライフトレーニングの活動場所は、基本的にクライアントの好きなことに関する所・エネルギーが上がりそうな所です。映画・ボーリング・ショッピング・カラオケ・食事など、目的によって場所が変わります。
クライアントと行動を共にする、ということは、座って行うカウンセリングとは多少異なって、「会話のキャッチボール」が大切になってきます。クライアントのエネルギーを上げるには、どういった会話がよいのでしょうか。
カウンセリングであることに変わりはないのですから、まず話を聴くこと・共感することが重要なのは言うまでもありませんね。しかし、ここでかしこまって「時代背景が・・・」と話をしてしまうと、相手もひいてしまいます。極端に言ってしまえば、映画が好きなら映画の話題、ボーリングに行ったらボーリングの話で終始してしまっても良いのです。
ただ、話の中でクライアントの価値観・考え方・好きな事・願望が見つかることもありますので、集中して耳を傾けていて下さい。また、クライアントの行動を注意深く観ていると、いくつかの長所が見つかりますので、行動にも目を配ってください。
そして、クライアントの長所を発見したら、「私が通るまでドアを開けていてくれて、○○さんは、優しいのね」「○○くんは説明が上手だからわかりやすいよ」「そういうところ、○○ちゃんのすごくいい所だよね、私は好きだな」というように、ほめることも大切です。(なるべく固有名詞をいれる)
◆会話例◆
映画に行きました。観終わって、感想を聞いてみるとき
Q おもしろかった?
A1 うん、おもしろかった。→私もおもしろかった!私は○×のシーンのセリフ、いいなあって思ったんだけど、○○ちゃんはどんなところがおもしろかった?
↓
よく観てるね、ちょっとしたセリフからでもそういうことを感じ取る力があるんだね、など、ほめる言葉を織り交ぜながら会話をすることができますね。するどい感性を持ってるから、感想を聴くのが楽しみだから、また一緒に行きたいな。と次の誘いにもつながります。
A2 つまらなかった→そっか、つまらなかったんだ。この映画には○○くんがグッとくるようなところがなかったんだね。どんなふうに展開していったら、おもしろく感じることができたかな?(○○くんは、どんな映画をおもしろいと感じる?)
こんど、また行こうよ!○○くんがおもしろいと思えるような映画、探してみるよ。○○くんも探してみて、あったら教えてネ。
↓
本当に探してください。次につながります。
また、今度は映画じゃなくて違うところにいってみようか、と誘ってもいいですね。
Posted by takahashi on 8 月 20th, 2008
家族のなかの「家族たち」
― いじめ、不登校・ひきこもり・家族問題―
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現在 不登校は約13万人(文部科学省)、ひきこもりは100万人以上と推定されている。この他、高齢者問題、子育て、いじめ、夫婦、親子問題等を考える時、問題を抱えていない家族など存在するのだろうか。しかも、その殆どが深刻である。従来、「家族」は上記のような問題を抱えつつ家族間又は第三者とのより良い人間関係においてその問題を解決してきたのである。
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現代社会において、時代背景、価値観の多様化、人間関係の希薄化、家族の変容等々 問題は多く存在する。それら一つひとつを分析していくことも大切であるが、私たちカウンセラーは今問題を抱えているご家族をサポートすることに意味を見出している。
- さて、NPO法人家族カウンセリングセンターは平成15年4月1日に内閣府に認証され現在に至っているが、法人化される5年前から家族問題に取り組んできた、その事例は200事例を超える。その事例の共通項は良くも悪しくも「親が子供を管理コントロール」している点である。もっと言えば、親御さんが生きてきた時代の価値観を子供に押し付けているのである。当然親御さんは「子供の幸せ」を考えてのことなのだが。しかし、この「管理コントロール」が「子供の精神的自立」を妨げているのである。
Posted by takahashi on 5 月 30th, 2008
人間には、「思考・感情・行為・生理反応」の4つの要素があります。これを「人間の全行動」といいます。
この4つのファクターはそれぞれお互いに連動していのが大きな特徴です。
例えば、マイナスの「思考」を長く持つと、「感情」は鈍くなり、「行為」は消極的になり、「生理反応」は低下していきます。また、素晴らしい感動体験を受けると、「思考」はsプラスになり、「感情」は豊かになり、「生理反応」は高まっていきます。
また、これらの要素の中で、人がコントロールできないのが「感情」と「生理反応」です。よく、感情をコントロールする、という人がおりますが、それは「感情」をコントロールしているのではなく、「行為」をコントロールしているのです。
人の意志でコントロールできないもの : 感情と生理反応
人の意志でコントロールできるもの : 思考と行為
このことから、私たちカウンセラーは「人の意志でコントロールできる思考と行為」を変えていく支援をして、その人のエネルギーを高めていくことを基本としています。興味深いことは、何かコトを起こすにあたり、「思考」からは入っていく人と「行為」から入っていく人がいますが、それはその人の性格によります。その辺の見極めも大切で、カウンセリングの目途になります。「思考」からいく人は、その気持ちや考え方を、「行為」からいく人はその行動力を評価し認めていきます。 悩みや苦しみを抱えている人は、極めて「自己評価」が低いことからプラス思考や否定語を肯定語に置き換えていく作業が重要です。
人間の「全行動」を知るだけでも、生活が大きく変わります。